2018/02/25
本誌114号の「巻頭のことば」で触れたように、従来の「文化芸術振興基本法」(平成13年制定)の第12条「生活文化」には(茶道、華道、書道その他の生活にかかわる文化をいう)とあり、その他に含まれるものの「食」は「文化」であるという明確な規定はありませんでした。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックは日本の食文化を世界に向けて発信する絶好の機会とみて、改正法の成立を目指すべく服部幸應氏を中心に三國清美氏、村田吉弘氏らが発起人となって飲食関係28団体に呼びかけ、「食を文化に!検討委員会」を立ち上げました。
国会議員の先生方(日本食文化普及推進議員連盟山東昭子会長、林芳正幹事長、二之湯武史事務局長)に働きかけて検討を重ねた結果、昨年7月5日付日本食糧新聞によると6月16日の通常国会最終日に参議院で可決・成立し、今回の改正で茶道、華道等と同様に「食文化」が明記されました。法律も「文化芸術振興基本法」から「文化芸術基本法」に改称され、今後は食の分野からの文化勲章や文化功労者が輩出できる根拠となり得ます。
その報告会が今年の2月16日に林文部科学大臣や宮田文化庁長官らとパネリストを招いて開催され、食の可能性をテーマにパネルディスカッションを行い、懇親会では人間国宝の能楽囃子大倉正之助氏の大鼓の演奏があり、食文化の発展を誓う和やかな報告会となりました。
平成30年の年頭にあたり、私ども(一社)全国日本調理技能士会連合会は昭和63年に設立し、平成と共に歩み、節目の30周年を迎えます。四月一日には新春懇親会と30周年記念を併せた表彰受章祝賀会が予定されています。都道府県支部調技会の皆様には是非ご臨席賜りますようお願い申し上げます。また8月には「ものづくり・匠の技の祭典」、11月には第56回技能五輪が沖縄県で開催されます。来年3月には技能グランプリが兵庫県で開催されます。参加出場する選手は日頃の訓練が欠かせません。充実した一年になりますよう希望致します。
(一社)全調技連会長 片田勝紀