2016/04/10
農林水産省食料産業局の「日本食魅力発信アクションプラン10」に基づく計画が着々と実行に移されており、昨年に続き今春も「日本食普及親善大使」として、当連合会から新たに5名の役員が任命されました。昨年来、農水省関連事業に係わる機会が増え、「日本食・食文化の普及」に関する検討委員会の委員に適任の本部役員が参画して、長い経験による日本料理人の海外派遣や知識を通した実績のある意見を述べると共に新たな情報を持ち帰って戴いています。このほど海外で日本食の仕事をする料理人のために、三段階で認定する制度案がまとまり公表されました。
これは急速に増え続けている海外の日本食レストラン(農水省2015年7月発表:89,000店)に対応し、本場とかけ離れたものを提供したり、生魚などの衛生状態の不十分な例が相次いでおり、技能認定を通じて正しい日本食を普及を図るのが狙いとされています。これによると、本格的な日本料理店で2年程度の実務経験がある場合は「ゴールド」で、1年程度の実務経験がある場合または料理学校で学んだ場合は「シルバー」、短期研修を受けて試験に合格した場合は「ブロンズ」のランク付けで認定されます。この認定作業については業界団体が実施する予定であるという。
一方では、農林水産省が奨励する「ハラール認証制度」がムスリム観光客の増加に伴って話題になっています。当連合会では、いち早く取り組まれた(一社)大阪府日本調理技能士会がNPO法人日本ハラール協会(マレーシア政府ハラール認証機関)協力の下、日本料理国際化協会(JCF)と共催で開始された「ハラール調理師認定」講習会を支援し、このほど関西地区(大阪)に続き、関東地区(東京)に於いて第1回目を実施しました。近年急増する訪日イスラム教徒(ムスリム)に対し、ハラールに配慮された日本料理を正しく提供できる知識と技能を持った調理師を育成するのが目的で、料理人を対象とした認定制度としては国内初の試みです。当連合会の調理師指導の一環としてハラール教育に本格的に取り組む事業の第一歩でもあります。一日コースの講義内容は、食を取り巻くハラール化についての概論と注意事項等午前中の「講義編」と午後の「実習編」からなり、実習編では献立の考え方、立て方、調味料の回避と工夫、実食による味の確認等があります。最後に試験問題を行って終了し、後日合格者に協会より認定証が送付されます。
今後に於きましては、地区(ブロック)ごとに実施する計画になっており、事前にご案内し呼びかけますので担当地区の日本調理技能士会の皆様には受講者の募集に際し、趣旨をご理解いただき是非ご協力をお願い致します。
(一社)全調技連会長 片田勝紀