2021/04/25
世界中に蔓延した新型コロナウイルスは1年以上たっても収束しないばかりか、変異ウイルスとなって英国型、南アフリカ型、フィリピン型、インド型等に変異して感染を拡大しています。
すでに日本にも侵入し、待望のワクチン接種実施の遅れを無視するように猛威を振るっています。1年遅れの東京オリンピック・パラリンピックも7月に迫り、国内観客限定どころか無冠客での開催さえ危ぶまれています。
本来、オリンピック(国際的スポーツ競技大会)は健全なスポーツの祭典として夏季、冬季ともに4年に一度各国主要都市及び会場で行われます。このオリンピックにあやかり、厚生労働省と中央職業能力開発協会主催の技能向上のイベントとして始められたのが昭和38年(1963年)からの23歳以下の青年による技能五輪全国大会であり、昭和56年(1981年)からの特級・一級・単一等級技能士による日本一を競う技能グランプリであります。
全調技連が国の技能振興事業のイベントに参加するようになったのは、五輪が平成7年(1995年)の第33回首都圏開催からで、グランプリは平成4年の第11回からとなっています。広く一般国民に対して技能の重要性や必要性をアピールし、技能尊重の気運の醸成に資することを目的に行われますが、想定外の新型コロナウイルスの影響で、昨年11月の第58回技能五輪(愛知県開催)は感染予防のため密を避け、国際イベントホールにおいて無観客で実施されました。しかしながら、専用の競技会場(調理設備)を必要とする日本料理や西洋料理は中止となりました。
また、今年2月の第31回技能グランプリ(愛知県開催)は会場の都合で日本料理は東京会場となりライブ配信で同時進行となりました。問題は出場選手の件で、当初32人の申し込みがあったものが締切り時は18名まで減り、最終的には11名で競うという変則の結果に。当然入賞数も激減しましたが、今年度は史上初の東京開催(12月17日~20日)となっています。
新型コロナが収束し、技能五輪が正常に開催されることを願いながら参加選手が感染を予防し、課題の訓練に励んでいただきたいと思います。ご健闘を祈ります。
(一社)全調技連会長 片田勝紀